ハーブ類も、一般的にホウレン草のような野菜と同様に
保存方法であったり、栽培方法によって
鮮度が維持できる期間に違いが生じます。
一般の方からはよく、
「ハーブは収穫後でも、長持ちさせやすいですよね?」
といったお話を伺うことも多いのですが、
飲食業界では、ハーブは長持ちしない、品質にバラツキが生じやすい
といった認識が大半かもしれません。
切り口を水に差しておけば確かに日持ちはしますが、
味、香りは弱くなりますし、
伸びて形が変わったり、色が抜けたりします。
レストランではお客様が写真を撮る場面も多く、
提供時の見た目も重要視されます。
保存できる期間の長さは
野菜全般に言える事ですが、
栽培時の肥料バランスや適切な栽培手順を整えつつ、
収穫時の保存方法、発送時の保存方法によって
大きく違いが出ます。
特に当園の場合、長野から他県の都市部にハーブを発送するケースが多く、
良い品質で収穫できても、配送中の傷み、黒ずみ、葉の変色を防ぐ為の
取り組みはとても大切です。
数々の失敗を経て、少しずつの改善を重ね、
今に至っていいます。
ハーブの保存方法についての取組み例の挙げると
チャービルのような暑さに弱い品種では、
夏の暑い季節は特に、収穫してから冷蔵庫まで運ぶ時間を
できるだけ短くするように努めます。
そして手間も掛かりますが、
農場から保冷庫までは時間を設定し、小まめに運ぶようにします。
逆に原産地が熱帯のバジルのような品種の場合、
基本的に高温多湿な環境で生まれた品種ですから
冷やすというよりも、周囲の温度変化を極力抑えられるよう、
季節に応じて、収穫箱の種類や置き場所を変えるなどして
状況に合わせた対応をするようにしています。
とても手間は掛かりますが、
基本的なマニュアルを作成しつつも
発送先の到着時の天気予報をチェックしたり、
荷物に温度計を入れて発送し、温度変化のデータを確認したりして
注意ポイントを明確にして対処しています。